製品を作る難しさと楽しさ その2
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- 13 時間前
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お客様からの依頼の製品
前回は自社製品を作る事を話しましたが楽しんでる事ばかりで難しさがちっとも伝わりませんでした。書いてるうちに楽しい事ばかり思い出して苦労したことはすっかり忘れてしまいました。😁
スクランブラータイプのマフラーは足(太もも内側)への熱対策がもっと苦労しまして、エキパイのレイアウトを何度もやり直したり、ヒートガードの断熱材を色々試したりして限られたコストの中でなんとか「アッチッチ』にならないレベルにまで仕上がりました。
仕様変更の度に実走行しての確認、真夏の市街地渋滞でのテストなどあらゆる条件を実走行しました。お陰て発売まで1年掛かりましたが・・・。
さて、今回の本題であるお客様からの依頼製品の開発・製作についてお話しします。
ちょうど現在開発しているキャブトンマフラーを話しネタにしますね。
お客様からの依頼の多くはイメージで伝えられる事が多く、それを自分がどう頭の中で描くかが最初の難関です。お客様が頭の中で理想のマフラーが装着された自分のバイクの画像をいかに忠実に僕の頭の中へ写すか、という事です。
今回は参考となる他のバイクの写真を頂いたのが幸いで始めやすかったです。
実際製作を進めるにつれキャブトンマフラーはシンプルなだけに意外と難しい事がわかりました。エキパイの曲げRの感じ、サイレンサーへ伸びるストレートの部分の長さ、サイレンサーの太さと長さ、サイレンサーの位置(前後と車体との距離)などで雰囲気がガラッと変わります。当初は1本のエキパイとキャブトンサイレンサーという構成でそれほど難しくないとナメてましたが改めてシンプルなものほど難しい事を経験しました。
一応、形が出来上がってその画像を送ってみて頂いたら気に入って頂けたようで近々見に来て頂くことになりました。
それまでにサウンドと乗り味を煮詰めてサイレンサーを仕上げます。
ドキドキの(僕がです)初お披露目の日、一目見て気に入って頂けたのには一安心。
ただ、1箇所変更のリクストを頂きました。
テールエンドパイプの長さをもう少し長くとの事、これも数値化されない感覚的な事なので
『もう少し=2CM』という判断で継ぎ足ししてOKとなりました。
ここの長さに着目されるとは、やはりお客様のこだわりを察するのは難しいです。
4月末に製品版テスト品を装着する事となり早速、テスト品の製作に取り掛かりました。
試作品とテスト品の唯一の違いはパイプにメッキが施される事です。
使用過程におけるメッキの状況はこれが初の実テストになるのでどのようになるのかが楽しみであり、不具合が出ないか心配事でも有ります。
テスト品お渡しまで現在の試作品で出来るだけテスト走行をして心配な箇所の不具合の発生の有無をテストしました。
そして、テスト品も完成し取付にご来社頂き無事に取付完了!
・・・・実は客様のGBにはデイトナ社製のエンジンガードが取り付けて有り干渉しないか焦りましたが💦、運よく干渉する事なくすみました。
今度は1ヶ月後に僕の方から先方へ出向き状態確認をする予定です。
今回、このマフラーはお客様へのワンオフという製品ではなく、取引先企業様の開発依頼です。お客様直接のワンオフではこのような過程を行うとかなり高額の費用になります。
僕は基本的にワンオフはお受けしておりません。
限られた費用や時間の制約の中でお客様の希望通りのものを作るのは結構難しく、いくつかの妥協点を見つけてやらなければなりません。また、一発製作だとある程度の耐久性などの品質の担保も出来ないので短期でトラブルが発生する可能性も有ります。
結果、僕の物作りのコンセプトである『楽しいをカタチに』をから離れてしまう事になります。お客様も僕もハッピーで有りたいと思います。
現在、お客様(開発モニター様)用と僕のGBに装着しているキャブトンの2本で並行して長期テストを行なってます。

一段落したらもう1種開発予定です。お楽しみに!
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